2012年06月13日

夜遊び

P2148212.jpg


大晦日の23時、
あけましておめでとうってメールが来た。
0時過ぎると混むからって。

公園で独りでお酒を呑んでいると言った。

木陰のベンチで小さくなって、かじかむ指先で、
―――でも薄着で、

メールを打っていた彼の姿を思い出した。


まるで小説のワンシーンだった。

ある彼は、
「小説の面白いところは、たとえば主人公の髪型とか服とか、何も書いていないのに、
自分の頭の中でしっかり映像ができているところだよね」

って言っていた。
それを聞いて私はずいぶんはしゃいだものです。



今も昔も、大晦日の彼の姿の正解はない。

それなのに、今も昔も、彼の姿はずいぶんと鮮明で。


同じベンチに座った。

ちょっと寒い、22時。
お酒はないけれど。


あまりに美しい景色で、つい写真を撮ろうと思ったのだけど、
その時のカメラには何も写らなかった。

策略だ。

彼が撮らせようとしなかったのだと思う。


どんなに鮮明な映像を描いても、
わたしと彼とは、見る世界が違う。


街灯に照らされた深い緑の、重なりあう楓。

影になった遊具。

嘘みたいな星空。

かじかむ指先の感覚。


彼と通じあうことなんかなかった。




気付くのに、3年も掛かってしまったの。


すべてを切ったのは、わたしなのに。


continue?
posted by 砂野 遠 at 23:48| Comment(1) | self-portrait | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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